開発:どうも納得できないのは、本当にCSSでは定数名的なものとかマクロ的なものが使えないのか?ということです。
開発:そもそも統一感のあるテーマであれば、使用する色の数なんてたかが知れていて、まあ数種類ということろです。フォント名にしてもしかり。
開発:もうひとつは条件による選択。どういうコンテクストであったらこういう表現にする、って出来て当然だと思うわけです。
社長:それはひょっとすると、マクロ処理をして返すっていう処理系がどこかのURLて提供されてれば済むような気もしますね。それならCSSだけでなく、何にでも適用できる。私達的にはCのプリプロセッサが馴染みがあるけど、歴史をたどれば m4 というマクロにはすごく感動した記憶があります。40年も前ですけどね。
開発:外部のマクロ処理系を通すっていることになると、サーバ側の設定が必要になりますよね。オフラインでは使えないというのが引っかかります。まずは CSS の中だけでなんとか出来ないかと。
基盤:検索しましょう。conditional css ・・・ 一撃ヒットです。ワン・イシューごとにドメイン取るのって、社長と同じのりですね。
Conditional-CSS [conditional-css.com]
開発:うーん、やっぱりブラウザによってCSSを変えるってだけの話ですね。しかも、CSS自体の機能ではないから、別途処理系が必要。
基盤:では、css constant definition とか・・・一撃ヒットです。
Using CSS custom properties (variables) [mozilla.com]
Custom properties (sometimes referred to as CSS variables or cascading variables) are entities defined by CSS authors that contain specific values to be reused throughout a document. They are set using custom property notation (e.g., --main-color: black;
) and are accessed using the var()
function (e.g., color: var(--main-color);
).
開発:なーんと、やっぱりあるんですね。
基盤:でこのページの最後を見ると、IEだけはサポートしてないですが(笑)。さらにそこに、env() というのが引用されていたりします。
env() [developer.mozilla.com]
The env()
CSS function can be used to insert the value of a user agent-defined environment variable into your CSS, in a similar fashion to the var()
function and custom properties. The difference is that, as well as being user-agent defined rather than user-defined, environment variables are globally scoped to a document, whereas custom properties are scoped to the element(s) on which they are declared.
開発:なーんと、やっぱりあるんですね。
基盤:さらに続けて。
To tell the browser to use the whole available space on the screen, and so enabling us to use the env()
variables, we need to add a new viewport meta value:
<meta name="viewport" content="viewport-fit=cover" />
開発:なーんと、これでしたか。viewport って、以前のブログでモバイル対応について書いた時のあれですね。あの時のはこうでした。
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
社長:スマホを横にしたり縦にしたりした時に自動的にフィットしてくれるやつって、これの仲間ですかね?
開発:いやしかし、やはりお天道様は正しい方を照らしているてわけですか。古典的なCSSの苦し紛れ技法の勉強とか自作のごにょごにょとかしないで済みました。WordPressにも依存しない。あ、でもマクロプロセッサっていうサービスはあるといいかな。
基盤:原典は WSC の CSS ホームらしいですが、MDNのはいい感じでサマライズしているって感じですね。MDNって廃屋かと思ってましたが、それは mozilla の実装管理とかの一部分なのかも知れません。
開発:いずれにしてもネット検索って古めの解説とかがバリバリ上位に出てきてしまうから、やはり原典に近いところにあたるのが近道ですね。というか、作成・更新日付で検索を絞ることができないのが、いかに不便かということです。
基盤:あと、CSSのユーザ寄りの情報よりも、ブラウザ(CSS/HTML処理系)を作ってる側に近いところの情報が旬のようです。
社長:とても明るい気分になったので、お昼に行きましょう。
* * *
社長:さて、じゃあどこから手を付けますかね。
開発:お昼から帰ってしばらく調べたのですが。これ、CSSの拡張機能、やるのやめようかと思います。
社長:おや、そうですか・・・ なぜ?
開発:かったるいからです。非常に簡単なことをやるのに大変な労力とリソースを食う。頑張っても果実が適用できるのはCSSだけ。そもそもそのCSSの拡張方法が見た目に美しくない。その拡張機能はまだ2020年現在ドラフト段階で今後どう転ぶかはわからない。ブラウザによってはデフォルトでオフにされてることもある。やめましょう。われわれの活動指針は more with less です。
社長:そうですか・・・ それで代替案は?
開発:社長の言ったマクロ案を採用します。言語的には伝統と実績のC言語プリプロセッサ。コメントはCSSと同じ/* */。処理系はPython。Python なら Linux、Mac に標準装備、Win でも簡単にインストールできました。幸いCプリプロセッサをPythonで書いてくれている人もいます。http://server/cpp?URL とするとそのURLの内容をCプロセッサで処理した結果を返す。この場合マクロ処理済のCSSです。これを<link type=stylesheet http://server/cpp?URL> で参照する。これでいけるのではないかと思います。そもそもわたしはもともと、簡単な HTMLの生成も、CGIとかSSIとかJavaScriptでなく、マクロでやれば良いのでは無いかと思って来ました。
基盤:HTTPヘッダの値とかが、環境変数じゃなくて predefined として見えるって感じですね。
社長:そうですか。うーん、それも面白そうです。ただひとつ気になる点。昨日 WordPressのソースを見ましたが、style.css の取り込みはこうなってました。
<link rel='stylesheet' id='twentyseventeen-style-css'
href='https://its-more.jp/ja_jp/wp-content/themes/twentyseventeen/style.css?ver=20190507' media='all' />
社長:これを見た時、ver=20190507 の部分は sytle.css の中でスイッチとして使われてるんだろうと思ったわけですが。これを div["ver=20190507"]みたいに使えるのかなとか、今日の話だと$(env)とかに使えるのかなって。
基盤:わたしもそう思ったんですが、少なくとも styles.css の中には ver とか 20190507 は出てきません。
開発:なんにしろ、たとえばコメントというものが lexical level で事前処理しないと大変なように、syntax level で全てやろうとすると、構文的に非常に面倒なことになります。別の次元から断面を見ると簡単に見える。プリプロセッサはそういうものだと思います。プリプロセッサという別フェイズで展開されたステートメントと最終的な実行を対応付けるのが大変ということは発生します。ですがこの場合、インタプリタたるCSS処理系とかインスペクタは、大元の記述の構造とか紐付けが見えにくくて、まさにマクロ的に redefine を重ねてるだけのように見えるんです。だから、事態は現状より悪化はしない。
社長:そうですか。じゃま、マクロの線でやってみますか。
開発:あ、それはそうと、わたしはさっきはじめて、CSSの基本中の基本というページを見たのですが、この selector に関するテーブルはまさに、ああこういうものを見たかった、というサマリーでした。
開発:スタイルの上書きルールについても確認できました。
開発:最後に、ずっと気になっていた、<body> の中に <style> を記述することの可否についてですが、Stackoverflow で見つけたのは、やはりそれは良くないことだが実際には使えるという話。そして、HTML 5 では「scoped 属性」を使えば、正々堂々と使える、ということでした。
社長:scoped ていわゆる普通のプログラミング言語のスコープのことですか?
開発:そうですね。たとえばある div の中にだけ適用される style タグを、その div の中に定義できる、そう宣言するためにその style に scoped という属性をつける、ということです。ただこの属性、賛否があるようで、HTMLの仕様から外されたり復活したりをしているようです。たぶん、今は外されています。
<div>
<style scoped> div { color:blue; } </style>
これは青のはず
<div>
<style scoped> div { color:green; } </style>
これは緑のはず
</div>
</dvi>
開発:そういうことに巻き込まれたくないので、もう class とか type とかのセレクタでいいかなって思います。これも内側に定義できるということに気づきました。ようするに、どこに書いてもグローバル、スコープが無いのが好きなんですねCSSの人たちは。
<div class=div1>
<style> .div1 { color:blue; } </style>
これは青のはず
<div class=div2>
<style> .div2 { color:green; } </style>
これは緑のはず
</div>
</div>
社長:完全にレンダリング用の環境を作ってから、HTMLに適用したい、って気分なんですかね。まあ、そういう意味では、プリプロセッサ的発想なのかも。CSSの処理とHTMLの処理を分離したいというか。HTMLの構造から独立したいとか。
基盤:ですが、そしたらタグの中の属性の style って何なのよって気もしますが。
開発:なんしてもあれですよね、これだけ世の中を振り回す規格なのに、どういう理由でそう決めたのか、rationale というか、ほとんど説明されてないですよね。なんか、varとenvなんかW3Cのエディタのページにいってもすごくサブイ感じだし。
-- 2020-0619 SatoxITS