社長:まあ一応 Outlook も検討するとして。私はもう以前から、メールは Mac Mail で行くと決めています。実際、Macでも iPhone でも Gmail のサブとしてMail アプリを使ってきた結果、とても満足していますし。
複数アカウントの統合
なぜかというとまず私は、複数のアカウントのメールを同時に見る必要があります。ひとつのアドレスに転送して読み書きするのが適切でない事が少なくないからです。 Gmail ではそれを「アカウントを切り替える」ことで行います。同時には(一つのウィンドウ・タブの中では)見られないのです。この切り替えにはかなりストレスを感じます。
一方 Mac Mail では「複数のアカウントのメールが同時に見える」ようになっています。統合されているのです。一人が複数のアカウントを持つ事を当前の事として設計されているのです。まあこれはThunderbird などでも似たようなものですが、Thunderbirdではあくまでも各アカウントごとにツリービューが分離されているのです。
スレッドのスクロール表示
次にスレッドの表示です。スレッドの中のメールの中身を表示するウィンドウですが、ここにはスレッド内のメールのウィンドウが整列していて、それらはスクロールすることで順次読めるようになっています。メールが小さければ同時に複数のメールが表示されて読めるのです。
これは「一つのメッセージを表示するウィンドウ」というこり固まった概念からは出てこない発想です。
開発:これって是非Finderの「プレビュー」でもやってほしいですね。ブラウザの「履歴」とか「タブ一覧」なんて、これがあればすごく便利だと思います。
基盤:てか、そしたらタブってほぼいらなくね?的な。
思い通りのメール作成
Gmailで非常に嫌なのは、メールを書くウィンドウが、もとのウィンドウ内に束縛されて非常に窮屈だということです。ウェブアプリとしてブラウザの枠にはめられているという制約は大きいと思います。生まれつき無理ゲー的な。ですが、Ccがデフォでは隠れてるとか。サブジェクトが編集しにくいとか。本当になんの嫌がらせなんでしょうか?テキストのフォントを変えたいことも多いですが、そのUIがまたかったるい。
Mac Mail ではそのへんが全部、私の直感的期待通りに(思い通りに)ごく自然にできるわけです。それは基本、他のアプリでできることが、Mailでも同じようにできるという、ごく当たり前な事のおかげだと思います。
テキストの操作にしても、インデントをしたいとか、引用レベルを変えたいとかも、Gmailではどうももっさりしていてめちゃくちゃになることもありますが、Mailならサックサクなのです。
昔のメールのインポート
Mac Mailでは Outlook などからエクスポートしたメールも見れますが、さらになんと mbox 形式まで見られるのです。
私は1987年に書いた自分のメールを Mac Mail で読んで、感動しました。日本語のコードは懐かしの ISO-2022-JP だったり EUC だったりですがへっちゃらです。そしてもちろん、それらの中身の検索もできてしまうわけです。インクリメンタルに(!)。まあ昔のメールはテキストだけだから、1万通で100MBくらいしかないわけですが。
開発:電子メール開闢から、メールボックスファイルといえば MBOX 形式でしたからね。Googole の中の若い人たちは、MBOX形式なんて知らないんじゃ無いですかね。
Mailの不満なところ
とはいえ、もちろん、100%マンセーなわけではなく、色々となんとかして欲しいところはあります。たとえば、やはり一つのアカウントだけに集中して見たい事はある。ひょっとすると、そういうフィルターをするモードはあるのかもしれませんけど。たとえば、スレッド内のメールをまとめて印刷したいとか。GmailやOutlookに比べて表示があっさりしすぎていて不安になるとか(笑)
残念なのは、Appleはこの素晴らしいアプリを、Macの中に囲って出さないんだろうという事です。Windows版があったら世の中に大きな一石を当時られるかもしれないのに・・・あれ?でもSafari のWindows版は出してるから、Mailもあるのかな?
まとめ
私は昔から、苦痛なユーザーインターフェイスを見ると、ああこれは作っている人は自分では使ってないんだろうな、と思っていました。苦痛は人ごとだから改善もされない。でも、さすがに Gmail を作っている人達は、Gmail を使っているんじゃないかと思われます。となると、彼らはあれが良いと思って作っている。だからもうこれは根本的な価値観の相違。それ以前に人間工学的な解離。そういう意味でももう、Gmailに戻る事は無いなと思います。
Mailは、というかMac全般について言えると思いますが、「おおよそ思い通り」に操作できる。人間工学的に練られていて徹底されている。ごく当たり前か、考えてみれば当たり前というように作られていて、時には驚くような発想の転換もある。結果としては納得して使える。Mailはその代表であり得るかも知れない。そう感じました。
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2020-0602 SatoxITS