わが社にもギガビット回線が来た

まがりなりにも株式会社たるもの、インターネット接続がメガ単位ではいかん。というような動機ではなく実際の必要性から、遅まきながら回線を1ギガにしました(これまで大家さんの100メガにまがりしてました…)

映像配信など趣味の世界ではもう当たり前の世界なのでしょう。おかげ様で、ギガビットのインターネットなんていうひと昔まえには夢のようだったものが、月数千円で使えるようになりました。

必要性、というのは、遠隔のネットワークドライブを使うためです。経営の方針から、わが社の中央コンピュータに内蔵するディスクは250GBのSSDのみとしています(10万円未満で買えたWin10 Pro入りのレノボ機(これって最高!)の仕様でした)。

実際のところ、わが社で頻繁に使うファイルの総量はその程度のもので、他は外付けポータブルでもリモートであっても構わないのです。クラウド上の各社ドライブは、月1000円位の本来サービスに、おまけで1TBついてくる時代になりました(MS365のおまけOneDriveとか)。もちろんクラッシュの心配もないので、自前のバックアップも不要です。

ただ心配なのがアクセス速度です。10数年前、ギガビットLANの到来とともに100MB/秒でのアクセスできるようになり、ローカルディスクと比べて大きなストレスも感じずに使えるNASがブレークしました。それは100Mbpsの時代には無理でした(まあふた昔前はディスクI/Oは10MB/秒という時代でしたので、ぜいたくな話ではあるのですが)

昔話はともかく、速度を図ってみました。まず100Mbpsネット。

なかなかのものです。看板に偽りなし。実際これを2年くらい使いましたが、ストレスを感じたことはほぼありませんでした。少なくとも前の職場のネットより快適で(^-^)ノシ
そして、ギガビットネット。

おおー、立派立派。それにしてもこのfast.comって偉い。このユーザインタフェースは素晴らしい。しかし、いったいどういう経路になっているのでしょう?

$ tracert fast.com
Tracing route to fast.com [2600:1417:5d:280::24fe]
over a maximum of 30 hops:
1 <1 ms <1 ms <1 ms its-more [240b:11:cc01:0:0123:0123:abcd:abcd]
2 2 ms 2 ms 5 ms 240b:11:cc01::fffe
3 * * * Request timed out.
4 * * * Request timed out.
5 * * * Request timed out.
6 5 ms 4 ms 4 ms 2404:9200:225:1::1
7 5 ms * * 2001:268:fa00:29c::1
8 * * * Request timed out.
9 5 ms 5 ms 4 ms 2001:268:fc02:52::2
10 4 ms 4 ms 4 ms g2600-1417-005d-0280-0000-0000-0000-24fe.deploy.
static.akamaitechnologies.com [2600:1417:5d:280::24fe]
Trace complete.

どこまでもRTTが5msというのも、世の中が全部IPv6になっているのにも、今更ですが驚きです。Windowsにtracerouteがあるというのにも(^-^)Cygwinで見つからないのでどうしたのかと思いました。

とはいえ、基礎的な通信速度がいくらすごくても輻輳したりなんやかやで律速されて、実際のデータ転送速度は数メガバイト/秒程度(良くても50Mbps以下)がせいぜいというのはありがちな話です。それで、まずは Google Drive (File Stream) で測ってみました。

すると驚きの結果が!これこのような↓

まじで250Mbps出てるですけど…
(いやそもそもこの250って、手元のルータで律速されてやしまいか?)

送り込んでいるデータのサイズは1GBです。圧縮マジックにかからないように乱数を書きこんでいます。(openssl rand 1000000000 > xxx。なお、このCPUでの rand の生成速度は 500MB/秒以上です)。当然ローカルにキャッシュはしているでしょう。見た目に書き込みが終了してから実際に転送が始まるまでに10秒くらい何かしています。

もっとでかいデータを書いてみるとどうかな?とりあえず rand は 32ビット整数の縛りで 2GB しか生成できないみたいなので、生成したファイルを複数 cat して送ってみましたが、やはり回線の使用状況は同じようでした。あとは、ランダムアクセスに耐えるかというところですね。まあ、Stream って名前なので、過度の期待はしませんが…

ただいずれにしても、回線の速度をフルに使いきっているのがすごい感じ。UDPなの?

では他社はどうか?つぎは OneDrive。なんだか凸凹してる↓

いかにもMicrosoftらしく、何か余計な考え事をしているようです。


そしてDropbox。ほとんど200Mbpsに達せず、気合が足りない感じ↓


では複数並列にやったり、各社ドライブ間でやり取りするとどうなるでしょう?

★★★★★ 瞬間最高400Gbps出ました ★★★★
疑ってごめんなさいルータさん。測定の誤差というレベルではないようです。

各種アプリや文書データだけなら、ローカルの256GB SSDに収まりそうなんですが、多数の仮想マシン用のディスクを収容するのは無理です。なにしろ推奨最小が20GBですから。そこでクラウドに置くことにすると、スナップショットを取るのにかかる時間はなんとかなりそうですが、仮想ディスクから実ディスクへのランダム読み書きがどの程度発生するのかが心配です。わが社のマシンは、上の画面にあるように、メモリも8GBしかないからそれはもうー

ディスクの sync 中に手元のPCがクラッシュしたりネットが落ちたりしたらどうなるんだろうかというのも心配というか、興味があるところです。上の画面のように、当社はVMwareユーザなのですが、VMwareの仮想マシンの仮想ディスクとか最近の版でもカンタンに壊れてしまうので、実マシンでのネットドライブに限ったことではないですが。Hyper-Vはどうなのかなとか。それが Windows Pro にした理由の一つでしたし。

ギガビット・インターネットは実用として重要ですが、とりあえずそれ自体がとってもエンタメです。というか、先週4種類試した、WebDavやSFTPをベースにした仮想ドライブソフト達ががあまりにもダメダメだったので、ネットワークドライブというものに疑念を持ってしまっていましたが、今日、大手のクラウドドライブの実力に頭が下がりました。

単なるファイル転送プロトコルとしてのFTPの役割は完全に終焉しました。各種バイナリの配布(特に isoファイルとか)にしても何にしても、リードオンリーなファイルはHTTPで配るとかでなく、クラウドのドライブにぽんとおいておけばよいのではないかと思われます。改ざんしたファイルと区別の付かないハッシュ値とかじゃなく、ちゃんと電子署名して。

2020-0422 sato@izmoh


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